◆◆◆水害後の家屋への適切な対応◆◆◆

❶床下を確認する(床はがし)

※床下浸水でも必ず確認することをお勧めします※

<和室の場合>

 ・畳の下にある板をはがす。

 ・板は無垢材なら洗浄して陰干しすれば再利用可能。

 ・どの部屋の何番目なのか「印」をつけてから外す。

★特に注意すること

 ※サッシや敷居の下に潜り込んでいる板は無理に外さない

 ※一部切断する場合は、根太の中心で切ると再利用可能

 ※根太は切らない。どうしても切る場合は、大引きの中心で切る


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<洋室の場合>

 ・床下収納、点検口を開ける。

 ・床下に水や泥があれば除去。

 ・点検口などがない場合は、工務店などで作ってもらう。

  (相場は2~3万)

★特に注意すること

 ※自分で点検口を作る際は正方形(一辺60㎝未満)に開ける

 ※貼り合わせのフローリングは、長持ちしない可能性が高い

 ※もぐって作業する場合は、換気に注意して必ず複数名で行う



❷壁材を撤去する

※浸水ラインから20~30㎝上まで撤去する※

<石膏ボードの場合>

 ・カッター等で切れ目を入れて剥がす。

 ・半分以上濡れていたら1枚分全部排気する。

 ・濡れていないボードは残す。

<土壁の場合>

 ・再度土壁にする際は、その土が利用できる

  →小舞(内側の格子状の細い骨組み)は残す。

 ・貫(45㎝間隔ほどで組まれている骨組み)は基本残す。

 ・石膏ボードにする場合は、小舞は撤去する。


<断熱材の対応>

 ・グラスウール(わた状のもの)は廃棄する。

 ・スタイロフォーム(スチロール板状のもの)は洗えば使える場合もあり。


❸消毒する

※まずは洗浄が重要。泥を落としましょう※

有機物(泥など)が付着している状態での消毒は、効果が下がります。

家の構造物は泥を落として(洗い流して)から消毒します。

<主な消毒方法について>(出典:厚労省「浸水した家屋の感染症対策)

 薬液の濃度や用法など消毒液は、薄めて(希釈して)使用するものがあります。

 使用上の注意事項を確認してから使用しましょう。

 ●汚染の程度がひどい場合、長時間浸水していた場合は、できるだけ次亜塩素酸ナトリウムを使用す

  る。

 ●対象物が色あせ、腐食などにより次亜塩素酸ナトリウムが使用できない場合は、消毒用アルコー

  ・塩化ベンザルコニウムを使用する。

参考:日本環境感染学会 一般家屋における洪水・浸水など水害時の衛星対策と消毒方法

<消毒方法>

★噴霧する(消毒用アルコール・ベンザルコニウム溶液)

 噴霧器や霧吹きで吹き付ける。

  →基礎や拭くことが困難な箇所

   ※次亜塩素酸ナトリウムは噴霧しないこと

★拭く(雑巾などで)

 消毒液を布に浸してかたく絞り、木の部分・手が届く部分

 を拭く。

 

必ずマスク等の保護具を着用してください



❹乾燥させる

家の大敵は「湿気」です!

洗浄・消毒のあとは、徹底的な乾燥が必要になります。

乾燥には最低1か月以上かけるつもりで、十分に乾かします。

【乾燥のポイント】

★晴れた日は窓を開けて、外の空気を取り込みましょう。

★床下の点検口などを開け、できるだけ外気を床下に送り

 込むようにしましょう。

★灯油は燃焼時に水分を発するので使用は控えましょう。

★換気扇も活用しましょう。

 

湿った空気が留まらないように

空気を動かすことが大切です


<カビ対策・対応の方法>

水害後にカビの発生しやすい場所

・カラーボックスなど、木材を圧縮してあるもの

・システムキッチン(特に壁に接している背面の壁側の板)

・合材版(ベニヤ板、コンパネ)

・石膏ボードの裏側※これらは交換・廃棄をお勧めします

・水分(湿気)の多い場所

・風通しの悪い場所


※カビの発生条件※

温度・湿度・栄養(カビが繁殖しやすい成分)

カビ対策の極意→とにかく換気!とことん乾かす!